子宮蓄膿症について
子宮蓄膿症という言葉を聞いたことのある人はそんなに多くはないでしょう。
普通蓄膿症と言えば慢性副鼻腔炎のことを言い、人間の鼻の周りの症状のことを言いますが、子宮蓄膿症は子宮内に侵入した大腸菌などの雑菌によって引き起こされる病気で、中高齢期の雌犬に多く見られるものです。
普段は身体の免疫で無菌状態が保たれている子宮内に、なぜこのようなことが起こるかというと、雌犬の性周期と関係しています。
卵巣の細胞から「卵」が「排卵」されると、子宮内膜では「受精卵」を着床させる為に内膜が分厚くなり、受精卵の栄養となる「液」をたくさん分泌します。
またこの時期子宮内は、雌犬にとって「異物」である精子と結びついた「受精卵」を守る為に、免疫機能がいくらか低下します。
その際に、子宮内に侵入した細菌がいると、免疫力が低く栄養分が豊富な為、非常に繁殖しやすいということなのです。
そうなれば、子宮の内膜が炎症(子宮内膜炎)を起こし、さらに化膿して膿が溜まっていくと子宮蓄膿症となるのです。
さらにこの時期は、内部に精子をとどめて受精卵の着床を助ける為に子宮の入り口は閉じられており、細菌や膿を体外に出すことができず炎症や化膿がさらに悪化していってしまいます。
放っておくと、腹膜炎や腎炎、肺水腫、さらには腎不全など多臓器不全で命を落としかねない危険な病気と言えます。


